2009/09/11

読書の秋 3冊

最近は本は買うよりもっぱら借りる派なのですが、久しぶりに買ってもいいかなという本に出会いました。2009年本屋大賞を受賞した湊かなえさんの『告白』という本です。

200909111もともと、この本の第1章「聖職者」が賞を受賞していて、その続編という形で書かれた本です。各章ごとに違う登場人物の視点で話が進められていきます。同じ物事を違った視点からみる面白さ。最後の最後まで息もつかせず、一気に読んでしまいました。
どのエピソードをとってもネタバレになってしまいそうなので、あらすじは書きません。先生と、生徒と、その親とがそれぞれの思惑で事をすすめていく。ちょっとぞっとする話ですが、最後はなんともいえない爽快感。ん?これを爽快といってしまう私はちょっと悪い人かも。


200909112そして、昨日読み終えたのが、湊さんの第2作目『少女』です。これも、女子高生2人をかわるがわる語り部として登場させて話がすすんでいくところは同じ。これまた、登場人物がいろいろ複雑にからんで、最後読み終えて、また最初のページに戻る・・といった感じでした。文芸書というよりミステリー。この人は今後どうかかわっていくのだろう・・なんて深読みしながら読むのがおもしろいです。これも、あらすじをかくと即ネタバレになりそう・・。


200909113そして、この本の前に読んだのが、天童荒太さんの『悼む人』。偶然にも、この本も章ごとに語り部がかわり、それぞれの視点で物語がすすめられていきます。人が亡くなった場所を訪ね歩き、亡くなった人が誰を愛し、誰に愛され、どんなふうに感謝されていたのかを心に刻む。これを主人公は「悼み」とよんでいます。お悔やみでもなく、哀悼でもなく、「悼む」。いつしか人は、主人公を「悼む人」とよぶようになります。
「永遠の仔」もそうでしたが、とにかく暗く重い話。そうしなければ自分の存在が見出せない人も実際にはいるのでしょう。反面、なんと平凡で平和な私の生活。まったく相容れないようで実は表裏一体なのかもしれない。そんなことを考えた本でした。


読み始めると活字中毒のごとくとにかく本が読みたい。
今は何も手元にないので、子どもが借りたモーツアルトの伝記なども読んでみました。簡単に、でも忠実に書いてあってなかなか読み応えあり、です。次はベートーベンを借りたい!と姫。親子で図書館詣ではまだまだ続きそうです。


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2009/06/30

『食堂かたつむり』

ずっと前、新聞か何かで書評を読んで、「是非読みたい!」と図書館に予約していた本です。何故読みたかったのかというと、おいしそうなものがたくさん出てくるらしいから・・という非常に食いしん坊な理由でした。

〈ストーリー〉
25歳の倫子は、同居していたインド人の彼にお金や家財道具を持ち逃げされ、10年ぶりに故郷へ帰る。何も変わらない故郷で、倫子は「食堂かたつむり」を開くことにする。1日1組だけ。事前に希望を聞いて、その人にあった料理を考えて出す。厳選した食材を使って、手間と気持ちをこめて作る倫子の料理で、食堂かたつむりを訪れた人たちに幸せが訪れる・・。


主人公の倫子さん。もう天才的に料理がすごい!りんごからパン酵母をおこし、果てはガラス窓にぶつかって息絶えたハトの羽をむしり、ローストして食べたりする。いろいろな料理店でアルバイトをしていた、という設定ではあるけど、ハトの羽をむしれるなんて、そうそういないよね^^;。

それから、えっ?こんな組あわせどうやって思いつくの?という料理ばかりがでてくる。あまりにも身近にない組み合わせで、味の想像がしづらいのが難点。。でもお客さんはみな、「おいしかった」といい、願い事がかなったり、あったかい気持ちになったり、幸せが舞い降りたりするのが素敵なところ。

シチュエーションはちょっと大げさで、無理やり^^;なところもあるけど、私は料理にはそういう力があると思っています。どれほど名のあるシェフが作った料理でも、「口に合わない」と幸せな気持ちにはなれないでしょう。その人が、その時に、一人で、もしくは友人と、もしくは家族と食べたいものを考えてサーブできるなんて、やはりこの主人公は天才ではないかと思います。
そういう意味では、家族の好みを熟知し、「今日はだんなさんはきっとこれが食べたいと思う」とか、「今日は体育があったし、ガッツリ系でいくか・・」など、毎日のメニューを考えるお母さんははスーパーシェフだなぁなんて思いました。私も日々、そうありたいと台所にたっています。もちろん、「今日、社食でもしょうが焼きだったよ~」なんて時もありますが、まあ、それはそれで、その日の夫はしょうがやきが食べたかった!という点ではビンゴ!なわけです。

本の感想としては星2つ(★★☆☆☆)でしょうか。
ネットにあふれる多くのコメントがいうように、気をてらいすぎて突拍子もない事が起きたり、やっぱりねぇ~とミエミエのストーリー展開だったり。何より、この文体、誰かのと同じ香りがする。よしもとばなな?角田光代?
ということで、著者の独自性が感じられなかったのも★2つの理由。他に著者の本を読んでみたいと思います。

早速、図書館の予約を入れました。

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2005/06/01

「恋愛寫眞 -もうひとつの物語」

「いま、会いにゆきます」の市川拓司の作品。
広末涼子と松田龍平主演の映画(いままで知らなかったけど・・)を元に書かれたもうひとつの物語だそうです。

最初からネタばれしちゃいますが・・。
これも主人公が死んでしまいます。「いま、会いにゆきます」の澪が死んでしまうところ、「そのときは彼によろしく」の花梨が眠り続けるという奇妙な病に侵されているというところがミックスしたような感じでした。きっと、こういうのが著者のテーマなのでしょうね。(予断ですが、吉本ばななの作品も登場人物が死んでしまうケース、多いですよね)

大学生になるのに少女のような心と体の静流と奥手の誠人のお話。ふたりが少しづつお互いを認め合って惹かれあっていく様子がもどかしく感じるぐらい丁寧に書かれています。幼児体型でまだ乳歯も残る(!)静流は、恋をすると急速に大人になり(心も体も)、ついには死んでしまう。好きな人とめぐり合った先にあるのが永遠の別れだなんて・・。そんな病気ってあるの?と思いつつ、普通に出会って、恋愛して、結婚して、好きな人と一緒にいられることがすごく貴重なことなんだと思い知らされました。

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2005/05/23

「コイノカオリ」

20050523
角田光代、島本理生、栗田有起、生田紗代、宮下奈都、井上荒野という6人の女性作家が書いた6つの物語集。

角田光代、島本理生以外は初めて耳にする名前だった。それぞれ年代も違えば作風も違うけど、そのどれもに「共感」した。やっぱり映画や本は共感が大切ですね。

角田光代の「水曜日の恋人」は、「空中庭園」を思い出した。展開とか全然違うんだけど、やぱり家族の中の個、ここでは娘という立場の目を通して描かれているところが似ているような気がした。毎週水曜日に母親と、母親と同じシャンプーの匂いのするイワナさんとお茶をする。とっても異質な空間なんだけど、すごくさらっと描かれている。こういう家族の抱える薄暗い部分を描くのがうまいね。

宮下奈都の「日をつなぐ」は、出産間もない母親のやり場の無い焦りや落胆を描いたもの。正直、出産直後の自分と重なってちょっとうるっときてしまった。子供の授乳で満足に睡眠も取れない日が続くと本当に朦朧としてくる。なのに、頑張って食事の支度をするものの夫は「もう済ませた」と箸をつけない。夫婦のすれ違いに戸惑い、寂しさを覚える。最後に救われるシーンがあるけど、そう、出産後はほんの少しの言葉だったり優しさがしみるときでもあるのだ。

他の作家の作品も少しづつ違うものを心に残してくれて、なんだろう、2卵生双生児の書いた作品という感じだろうか。顔(ストーリー)は違うけど、マインドが似ているというか・・。色が似ているというか・・。うーん、うまく言えない。とにかく、他の作品も読んでみたいと思わせる内容だった。
そうそう、以前「あわない」と酷評した島本理央だが、今回の作品「最後の教室」は良かったです。

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2005/03/25

「庭の桜、隣の犬」:角田光代

私の場合、映画でも本でも、その内容に共感できたかどうかがポイントになる。そういう意味ではこの本は共感できなかった。希薄な、冷めたものの見方がしっくりこなかった。
その反面、こういう人たちっているよねという、納得はある。他人にも自分にも無関心な様が、なさそうでありそうな感じ。最後の場面では主人公房子が自分の願望を満たすためだけに、エゴ丸出しであるイベントを推し進めていくのだが、ここまできてやっと房子の人間らしい一面を見たような気がする。
私自身、自分の欲望は押さえがちなほうだと思う。相手が、周りが、世間が、あるいは自分の中のあるべき自分像がどう思うかが勝って、思いどおりの振る舞いができない時が多い。この最後の数ページだけ妙に高揚した気持ちで読んだのは、そんな主人公が羨ましかったのかもしれないなぁ。

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2005/02/05

「肩越しの恋人」

唯川恵の芥川賞受賞作品。

真面目だけど、どこか冷めている萌と、我がままで、モテることが何より大切なるり子。対照的な二人を軸に話が進むのだけど、最後の最後まで何故この二人が十数年も友人関係を続けているのか不思議でなりませんでした。お互い相手のことを疎ましく思ったり妬んだりしているのに縁が切れない。どちらかというと萌タイプの私は、るり子みたいな女は大嫌い。思い切り突き放しちゃえばいいのに・・などと憤慨していました。でも、この2人。本当は相手が羨ましいんですよね。自分にないものを持っていて、でも自分ではそれを手に入れることができなくて。

保育園でのある日のこと。床にうつぶせになった先生に10人近いの子供たちが馬乗りになって飛び跳ねています。子供たちはとっても楽しそう。でも、我が娘までその10人に入っていたら、先生に申し訳ないなぁ・・と娘の姿を探すと、教室の別の場所でボールを手に別の遊びをしていました。先生に馬乗りになることは「いけないこと」と思ったのか、ただ単に別の遊びをしたかっただけなのか。ほっとした反面、この時なんとなく「私に似ているな」と思いました。
子供の頃から、みんなが楽しそうにしている遊びでもどこかで理性が働く私。「これはいけないことかもしれない」、「お母さんに怒られるかもしれない」。本当は、その遊びをしたいのに「いい子」になったり、「関係ないわ」と興味のないふりをしたり。でも、本当は真っ先にその遊びの中に入って悪ふざけしたかった。自分の意思に素直に、奔放に生きられるるり子のような友人のことを、羨ましく、ときに妬ましかったんだと今になって思うのです。娘もそんな思いをするのかな、と思ったら、少しだけ寂しい気持ちになりました。

でも、他人を羨むのは決して悪いことではないと思います。今はその「羨む」という感情が好きなぐらい。そういえば、私の口癖って「いいなぁ~」かも(笑)。最近のいいなぁ~は恋をしている友人の話を聞いて。私も職場の紳士に恋(?)をしているワケですが、それとはどうも次元が違うようです。

実は、この本も以前読んだことのある本でした。が、不思議とストーリーを忘れてしまっていて、ラストの展開もそういえばそうだっけ、という感じ。テーマもストーリーも面白いんだけど心に残らなかったってことなのかなぁ。

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2005/01/27

「そのときは彼によろしく」

「いま会い」の市川拓司さんの作品。するすると、トータル3時間ぐらいでで読んでしまった。
よかった。最後にホロッときた。あんまり書くとネタばれしちゃうので、今回は抽象的にいきますね。

「いま会い」の2番煎じのようなストーリー、おいおい、これもですか?というぐらい共通するところが出てきて、最初「いま会い」と絡んだ話なのかと思っちゃいました。でも、文体は軽くて読みやすく、登場人物も魅力的!最後は、こうなるといいなぁ・・と思っていた通りの記述があってほっとして読み終えました。誰かを愛するって素敵なことだと改めて感じました。それがたとえ叶わない恋だとしても、「好き」という気持ちがあるだけで幸せを感じられる。この本の登場人物は、みんな誰かを好きなんですね。だからそれぞれがとても魅力的に思えたのかもしれません。

私、外国映画のラブストーリーが大好きです。何故かと言うと、その多くがハッピーエンドになるから。まるで自分自身が告白されたようにすっかりいい気分で映画館を出てくるのです。この本もそんな感じでした。

小学校の卒業時に、それまでの自分史を書くという課題がありました。たかだか12年余りの人生、それでも結構書くことはあるもので、原稿用紙100ページを超える大作になりました。タイトルは「愛」。自分の12年間を振り返って、どれほど沢山の愛情に包まれていたか気づいた、というのが主題でした。校長先生が一人ひとりにコメントを書いてくださって、私はこんな言葉を頂きました。「愛を受け、愛することのできる人になりなさい」。そう、愛されるだけではなく愛することが大切なんですよね。当時小学生だった私にはちょっと難しかったけど、今は愛することもできているかな?

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2005/01/18

やっぱりすごいよ!浅倉卓弥

「君の名残を」を読み始めました。
日本史が不得意、というかあまり興味がない私としては「平家物語がストーリーのベース」と聞いて躊躇してたんだけど、最初の数ページで、かなり引き込まれました!やっぱり文章力のある作家なんですね、浅倉卓弥。ランチタイムの短い時間にしか読めないので、なかなか先に進まないのがもどかしいです。今何が欲しいといったら、本を読む時間が欲しい!今日は30ページ。このペースで行くと、読み終えるのに20日かかる計算になりますね・・。図書館の貸し出し期限切れちゃうよ~!

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2005/01/09

「四日間の奇跡」

20050108先日の歌舞伎鑑賞のとき、電車の中で退屈しないようにと買った本。友人がブログで書評を書いていたのでちょっと気になっていました。

宝島社の第1回「このミステリーがすごい!」大賞の金賞受賞作品です。ストーリーは、知的障害を持ちながらピアノを弾く少女と、ある理由からピアニストとしての人生を断念した男性のお話。時間が経つのも忘れて2時半まで夜更かししたのも、次が読みたくて仕方がなかったのも久しぶり!引き込まれました。本当に処女作なの?と思うほど文章が巧み。必要にして十分な描写で物語の映像がすんなり描けたし、主人公の思いや心の揺れなど効果的に書かれていて読んでいて心地よかったです。文庫でも500ページある長編なのに、最後まで飽きさせずに引き付けるのは伏線の張り方がうまいからでしょう。あるときは納得し、あるときは裏切られながら最後は優しさのある風景で終わり、なんだか気持ちがふんわりあったかくなりました。

この作品、映画化が決まっているそうです。本に描かれていた風景、映像にしたらきれいだろうな。そして、随所に流れるピアノの旋律、これもすごく効果的に響くんだろうな。主人公は吉岡秀隆さんだそうで・・。私としてはイメージとさして違わないけど、独特な吉岡ワールドの台詞回しや表情など簡単に想像できちゃうなぁ。最近、映画化されると原作と違ったラストにしたりするじゃない?だったら、いっそのこと意外な配役でもっと裏切って欲しかったです。

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2005/01/07

「シルエット」

20050106島本理生が、高校生のときに書いた作品。
主人公の少女が、寂しい別れ方をした元恋人を思う心情を軸に、日常の出来事がつづられていくというストーリーです。正直、面白くなかった。「リトル・バイ・リトル」同様、情景や心情の描写が抽象的すぎて頭の中に映像が浮かんでこないし、主人公の気持ちに同化出来ないままラストを迎えてしまいました。確かに言葉の紡ぎ方は下手ではないけど、読者を引き付ける強さみたいなものが感じられませんでした。
読み終えて、まだ2日ですが、ほとんど印象に残ってません。すでに主人公の少女の名前も忘れてしまったし・・。
このところ、私が読む本は不作続きです。

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2004/12/27

「リトル・バイ・リトル」

4062116693.09Amazonで書評などチェックしていてこの作品に出会いました。昨年芥川賞の候補になったという執筆当時高校生だった作家、島本理生が、どんな文章を書くのか興味があって早速読んでみると・・。
本も薄いのであっという間に読み終わってしまったのですが、そんなに引き込まれるということもなく、ただ、主人公の日常が淡々と描かれている作品。あとがきに「とにかく明るい作品にしたかった」とあるけれど、父親の違う妹、母親の二度の離婚、そのせいで大学浪人してしまったなど、私には明るい作品とは思えなかったです。それでも、今の状況はこうなんだからまあ仕方がないさ、と一種のあきらめのような感があったり、焦燥感のようなもどかしさがあるなかで、後半、主人公が「待っていた」、「期待していた」というものへの思いを吹っ切るととたんにストーリーが加速するような感じがありました。若さの発するみずみずしさみたいなものがあって、ちょっとほろ苦い気分になりました。
これ、前にも読んだことがある気がする、と思ったら、綿矢りさの「蹴りたい背中」でした。
作家の年代も、描いている主人公の年代も同じ。文章や言葉の選び方などこの若さにしてはすごい!感心することもあるけど、なにぶんストーリーがいまひとつ。私の年齢的なことも関係あるかも・・と思ったけど、芥川賞の選考委員はおじさん、おばさんばっかだよなぁ。あ、でも、村上龍とか山田詠美もいるんだっけ。文章は島本理生のほうが芥川賞っぽい感じでした。
もう一冊、「シルエット」も読む予定。果たしてこちらはいかに・・・。

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2004/12/13

「いま、会いにゆきます」

20041201とりあえず、話題の本は読んでみたい派なので読んでみました。
映画と原作、今回は映画に軍配を上げます。

先に映画を見ちゃったからなぁ。本の中のさまざまなシーンに中村獅童さんと竹内結子さんがでてきて、映像の持つ力に改めて納得。本のディテールにこの2人がマッチしないから違和感があったのかもしれません。、本は現実的な描写が多くて幻想的な感じが薄い。映画では描かれていないノンブル先生も、役回りが中途半端でしたねぇ。先生自身はとても魅力的で私としては一番好きな登場人物。最後に重要な役割を果たすけど、それは彼でなくてもいいのでは?別の役割を与えてあげたらもっと物語が引き締まったんじゃないかと思いました。
映画では号泣でしたが、結末を知らなくてもこの本では泣けなかったと思います。
セカチューも原作は全然ダメ。映画を観てこういう脚色なら物語としてまだましかも、という感じでした。うーん、最近の日本映画、原作より映画が勝ち?最近読んだ「東京タワー」や「インストール」も映画のほうがいいのかなぁ。と思うと、見に行きたいかも。

本は、人物、時代、風景などすべての描写を文字であらわしますよね。なので、時に映像より多弁になってしまうのかもしれませんが、その行間から自分なりの解釈を広げるのが私の本の読み方。本を読んでいる間はいつも頭の後ろのほうに主人公や背景の画像が浮かんでいて、その中で物語が繰り広けられていきます。
だからエッチなシーンや殺人など血が流れるシーンは苦手。私の顔を見れば、どんな本なのかわかっちゃうかもしれません(笑)

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2004/11/07

「号泣する準備はできていた」

20041107昨日メールをチェックしたら、半年程前に予約した本の貸し出し順がきたと
図書館からの連絡がありました。
何を予約してたっけ??と図書館のサイトでチェックすると、
「号泣する準備はできていた(江國香織 著)」でした。
そういえば、「蹴りたい背中」や「蛇にピアス」と一緒に予約したんだっけ。。

長編モノだと思い込んでいたのですが、実は短編集。
今日の午後、「さあ、泣くぞ!」と意気込んで読み出したら、
これがぜんぜん泣けないのです。
泣けないばかりか、なんだか感情移入できない。。。
うなくいかなくなった夫婦や離婚を経験した主人公がたくさん出てきて、
私の今の状況とは違うから感情移入できないのかも・・とも思うのですが、
何かが違うのです。

それは、きっと泣かせるための本じゃなかったからだと、
本を返却した後に気がつきました。
私は「感動」して、「切なく」なって、「号泣」するつもりだったから、
肩透かしを食らった感じ・・。
昨日、泣かせる映画を観た私が、「号泣する準備はできていた」だけでした。

かといってつまらなかったかというとそうではなく、
どの短編にも、文字にはできない「重さ」や「感情」がありました。
ふと、数年前に読んだ短編集、「停電の夜に(ジュンパ・ラヒリ 著)」を思い出しました。
「号泣する準備はできていた」は、この本、「停電の夜に」全体に通じる苦い結末に似ています。
江國さんも、この本を読んでいるかも・・・。

それにしても、ちょっとフラストレーション気味。
「切なさ」を求めているのかしら?
現実に切ない事もあるんだけどな・・・。

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